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2007年7月26日 (木)

I only talk winning

Dscn1658 この1ヶ月間、ぼくを支えてくれたのは、みなさんの励ましの言葉であったことは言うまでもない。

シマルーヒさんの野球は“確立のスポーツ”という言葉は、ぼくに多くのヒントを与えてくれた。その他にも、ひとつひとつのコメントを何度も読み返すことで、ぼくは明日へのエネルギーを得ていた。

そして、もうひとつ、この期間のぼくを支えてくれた精神的なバイブルがあった。それは、『The MENTAL GAME of Baseball』という一冊の本だ。

日本から持ち込んだ数冊の本の中にこの本は含まれていたが、自分で買ったわけではなく、また表紙にカバーがしてあったことから、偶然紛れ込んでいたというのが本当のところである。

前回のピッチングから立ち直るべく、グラウンドにおいてもプライベートにおいても、何かを変えなければならないと常々思っていた。しかし、その何かがはっきりとは思い浮かばなかった。

そんなとき、偶然手に取ったのがこの本だった。そして、いつの間にか時間が経つのも忘れるぐらい読みふけり、すぐさま本屋へ向かい数ある本の山からこの本の原書を手に入れた。

そして、この本を読み終えたあとぼくはこう思った。「野球の神様が、ぼくにあの本をつかませたんだ」と。大げさに聞こえるかもしれないが、ぼくにとってはそのぐらい衝撃的だった。

著者がぼくに語りかけ、ぼくの弱点をすべて知っているかのような内容に、少し恥ずかしくなったぐらいである。ぼくは、この本で、はじめて自分の精神を叩きなおすことになった。

今までももちろんメンタル・トレーニングについての勉強をしたことはあったが、今思えば、それは何不自由ない恵まれた生活の中で自己満足的に学んだに過ぎず、何の実感も必要性も沸かなかったというのが実際のところである。

しかし、今のぼくはそうじゃない。生まれ育った国をはなれ毎日が驚きの連続である。少しでも早くそれに適応しなければならない。

野球でも結果が出せなかった。今は、練習生として再契約を目指すしかない。だからこそ、チームが休みのときも、毎日自主的に球場へ通い完璧な“準備”をする必要がある。

そんな状況にあって、強い“忍耐力”そして“精神力”が求められることは言うまでもないが、ぼくにはそれが足りなかった。だから、この本がぼくに与えてくれたものがとても大きかったのである。

前回のピッチングで打ち込まれ、ぼくはこのブログやメールに“失敗”という言葉を何度も使っていた。みなさんはお気づきだっただろうか?その後も、何度も何度も口にしていた。

ぼくは、あのピッチングで取替えしのつかない失敗をしてしまったと悔やみ、自分の技術や人格をすべて否定していた。

また、監督の評価、チームメイトや観客の視線、解雇の恐怖、来年への不安など次々と雑念が頭をよぎった。

そして、ピッチングを分析しすぎるあまり投球フォームが崩れ、自分のボールが思い切って投げられなくなっていた。何に“集中”すべきかが分からなくなっていたのである。

これぞ、まさに“敗者”の悪循環という具合にマイナス思考がすべてのリズムを刻んでいるのだが、ぼくは、明らかに“自信”をなくしていた。

この本によれば、血のにじむような努力を成果として実を結ばせられるかどうかに大きく影響するのが、自信だという。

自信がなければ、どんなに技術や体力が優れていても、勝利の女神をほほ笑ませることはできないとまで言っている。

だから、たとえ目のまえの課題に不安があり失敗する可能性が高くても、現実から目を背けずに積極的な姿勢で努力し、難局を乗り越える“勇気”を持たなければ、自信などいつまでたっても生まれないと教えてくれた。

確かに、今の状況で再契約することは難しいかもしれない。このまま1試合も投げずに、今シーズンが終わってしまうかもしれない。

でも、今逃げたら失敗したまま終わることになる。このまま努力し続け、勇気をもってこの困難に挑戦すれば、あの失敗を“成功”に変えられるということもこの本は教えてくれた。

本当の勝者は、ただ成功するということを信じているだけではない。たとえ失敗しても、それは自分の人格のせいではなく、ただ“結果”が悪かったということを知っている。

彼らは、すぐさまもっと上手くやれるよう工夫し、機会があればまたトライしてみようとする。こうした度重なるチャレンジを続けながら、本当に成功を得るために何をしなければならないかを確立していく。

そして、自分が努力していることを絶えず評価しながら、適切な対処法を作り上げていくのである。「失敗も、成功と同じだけの積極的なモチベーションとなる。」

この言葉が、今のぼくには一番大きかったのかもしれない。「失敗は成功の基」とはよく言うけど、「失敗を成功に変える」という発想はなかった。

なんだか、この本を読むと、怖いものがなくなるような気がする。怖いもの(不安や恐怖)は、自分自身の想像によって生み出されたものだということを知ったからだ。

それをコントロールすれば、“恐怖”は消せる。あの雑念をすべて消し去り、自分のピッチングにだけ集中すれば、もう一度やれるかもしれない。今は、そう思って毎日練習している。

これで、ようやく打たれた原因がわかった。そう、ぼくはバッターに負けたのではなく、“メンタル・ゲーム”に負けたんだ。

あの名投手ロン・ダーリングも言っていた。「ピッチングの90%は、精神的なものだ。メジャーの野球は“心”でするものだから、自信では絶対にバッターに負けてはいけない。」

まだまだ、未熟なぼくですが、日々学習で少しずつ前進しています。一球一球を大切に、自分のためにプレーする。今のぼくにはこれしかない。

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コメント

陽へ
またひとつデカクなったな。今の陽に俺が伝えることはなさそうだな。今ブログに記した気持ちを一生持ち続けられれば、必ず勝者になる。人生で負けることはあり得ない。俺が野球という偉大なゲームを通して学んだことは、まさに陽がブログに書いたものだよ。俺は今回のテスト当番あえて助けなかった・・・。なぜかわかる?これは陽が自分で乗り越えなければいけない壁だから。

アメリカで野球をやるというのは‘‘セルフコントロール‘‘を完璧にこなせなきゃ不可能。だからテストの結果がどうこうではなくて陽に本当の意味での‘‘強さ‘‘を自らの力で身につけて欲しくて、わざと突き放した。最悪のケース、プレッシャーをかけてつぶれても、俺は良いと思ってた。なぜなら、本当に大切なのは、どんなときでも自分を信じ、あきらめず、0に見える可能性からそれを1にして2にして100にすることができるクリエィティブな選手になることだから・・。

本当の強さを身につけて欲しかった。つまり可能性のないところから、(傍目にみると)可能性をクリエイトできる選手になって欲しかった。俺は野球をやってきて一つ大きな哲学を手に入れた。それは可能性はいつだって自ら創りだせること。偉大な選手は絶対的に不利な状況からでも可能性を手に入れ、それを具現化できる。

例えば凡打を打って一塁に走る。この時相手の守備率が9割9分だとすると、もうほとんど塁に出れる可能性はない。がしかし、偉大な選手は、精神的なアプローチでこの確立を下げることができる。なぜなら彼らは100回走る中でたったの一回も塁に出れることを信じて疑わないから。だからこそ、その‘‘信念‘‘が不確定要素を生み出したりするんだよ。相手のエラーやミスを誘ったりする。うそのような本当の話だよ。この世界感が分かれば、この世界の動かし方が分かれば、これ以上何かを俺が伝える必要性はない。

なぜならそれが落合陽に唯一足りなかったものだから。陽のハートは俺と違って表に出て強く見えないが、持っているものの‘‘質‘‘はなんら変わらないよ。野球を本当に‘‘愛する‘‘ことができる選手になったな、確実にさ・・。俺はその事実をとても嬉しく思うよ。今後のこともあるから一度話がしたいんだが、電話できるか?今日帰ったら電話する。とりあえずKeep trying and fighting !! だな。
気合入れて勝負してこい!!

ps この本と巡り会えたのは偶然ではないよ、自分が絶えず求め、探し続けるという貪欲な姿勢を持っていたから野球の神様は、この本と陽を引き合わせた。野球も人生も同じ。だから頑張れよ!!

Yoshi42

投稿: Yoshi42 | 2007年7月26日 (木) 21時35分

今、この瞬間を生きる!
とても素晴らしい体験をしているようで何よりです。
ベースボールは本当に素晴らしいですね。
意志あるところに道は開けるですね。
二人とも僕を超えて大きく成長していると思います。
影ながら応援しています。

頑張ってください。
An old friend

投稿: | 2007年7月30日 (月) 11時22分

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