In Memory of Joe
サウスキャロライナ州アンダーソンは、とても歴史の古い町で、建物や家など歴史を感じる雰囲気が町中に広がっています。
一方、ここに来る前に生活していたフローレンスは、新興住宅地が広がり、大型ショッピングセンターが立ち並び、緑に囲まれたとてもきれいな町です。
3年目を迎えたアメリカ野球生活で、ぼくもいろいろな町を旅しました。一言にアメリカと言っても、その土地柄や国民性によってさまざまな特徴がその町に溢れています。
そんな長い歴史の中で、99年前の今日、ひとりの偉大なメジャーリーガーがここアンダーソンでデビューしました。彼の名前は、“シューレス”ジョー・ジャクソン。
日本ではあまり馴染みのないこの名前も、大リーグ歴代3位の通算打率.356を記録した歴史的ヒーローであり、アメリカ人なら誰でも知っている偉大なスーパースターのひとりです。
しかし、この打率にして一度も首位打者を取ったことがないのも有名で、同時期にタイ・カッブという首位打者12回のスーパースターがいたからだと言われています。
そして、チームメイトのタイラーが、タイ・カッブの親戚にあたると聞いてびっくり。このチームにいると時代がさかのぼった気がします。
もしかしたら、みなさんの中にも“フィールドオブドリームス”という映画を見たことがあるかもしれません。
野球映画の代表作に数えられるとても有名な映画で、“ザ・エージェント”、“ザ・ハリケーン”と共に、ぼくのお気に入り映画のひとつでもあります。
「それを作れば彼はやってくる。」この言葉に引かれてやってきたひとりの野球選手。それが、“シューレス”ジョー・ジャクソンです。
マイナー時代、スパイクが足に合わなかったため、試合途中から靴を脱いだのが“sholess”というニックネームの始まりだと言われています。
今日、そのデビューを記念して試合前にセレモニーが行われ、“シューレス”ジョー・ジャクソン賞の表彰式が行われました。
受賞したのは、ヒース・キール。今シーズンの活躍と日ごろの野球への態度を評価され、チームメイトの推薦で選出されました。
みなさんも、一度この映画を見てはいかがでしょうか?アメリカであれ日本であれ、野球は父とのキャッチボールから始まる。
そして、時代の変化が著しいアメリカにおいて、決して変わることなく生き続けた野球。そんな一面を感じさせてくれる、とても感動的な映画です。
その他にも、大リーグが始まった当時のチームジャージを着て試合をするクーパーズタウンデイも今週同時に行われました。
古い球場で昔のユニフォームを着て、昔ながらのスタイルで行われる試合は、本当に時代がさかのぼったかのような感覚を与えてくれました。
そういえば、ぼくが所属するこの“ジョーズ”も、ジョー・ジャクソンの名前から由来したもので、チームのロゴにはジャクソンと靴が描かれています。
また、チームのユニフォームも袖が七分になっている今ではほとんど見かけないデザインで、パンツを膝まであげるクラシックスタイルをチーム全体で採用しています。
カラフルに彩られた球場とメッシュ地のユニフォームを着て行われるフローレンスの試合とは、まったくの正反対なスタイルですが、これもまた選手として違った楽しみでもあります。
町の特徴が違えば野球の特徴も違う。いろいろな町を旅することも、いろいろなチームを渡り歩くことも、それぞれいろいろな発見があり、誰もが味わえない貴重な経験になります。
先日、バックドロップさんがコメントしていたように、さまざまな場所で野球を見て、その雰囲気や特徴の違いに気づくのも、また違った野球の楽しみになるのではないでしょうか。
今日は、そんな思いを感じさせてくれた一日になりました。野球というスポーツは、わたしたちにたくさんの経験や発見をさせてくれるすばらしいスポーツです。
みなさんも、野球をさまざまな角度から楽しむことで、より一層野球が好きになるのではないでしょうか。これからも、Enjoy Baseballで行きましょう!
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント