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2007年8月11日 (土)

Reliever

11 ぼくは、アメリカに挑戦して以来、ずっとリリーフピッチャーとして仕事をしてきました。しかし、3年目の今年も、正直この仕事のノウハウをまったくつかめていません。

リリーバーというと、一般的に先発ピッチャーのあとを継いでクローザーにつなぐ中継ぎという役割で捉えられていると思いますが、その役割は多岐にわたっています。

ブルペンピッチャーは、成績や信頼度、安定性などによってセットアップ、モップアップ、クローザーにだいたい分けられます。そして、それぞれが1イニングから3イニングぐらいを投げます。

セットアップは、先発ピッチャーがリードしたまま降板したときに、依然試合を組み立ててクローザーへとつなぐ重要な役割です。必勝リレーで、最初にブルペンを出て行くのが彼らです。

次に、クローザーですが、これは良く知られているとおり、僅差でリードした9回に登場し試合を締めくくるピッチャーのことを言います。

そして、ぼくが務めるのがモップアップという仕事です。その名のとおり、モップで汚れた試合を掃除してくるという意味の敗戦処理です。

故障を抱える者や成績不振な者、首脳陣から信頼されていない者や経験不足のルーキーは、すべてこのポジションに振り分けられます。

ナイトゲームの場合、通常2:30~3:30にストレッチが始まり、その後バッティング練習をして全体練習は終わるのですが、大体試合開始までに2時間は自由時間になります。

先発ピッチャーや野手の場合、試合開始前にまた軽いウォームアップをして、試合開始と共に自分のペースで試合に入って行くことができます。

しかし、リリーバーの場合、実際に登板する時間は試合開始2時間後ぐらいの21:00~22:00ぐらいになりますので、最初のストレッチからはすでにかなりの時間が経っています。

すると、最初はずっとベンチに腰かけ試合展開を見守り、状況によって自分の出番になりそうかどうか予想を立てます。

そして、5回を過ぎたあたりから、徐々にウォームアップを始め、どんな展開になっても行けるよう準備します。しかし、ブルペンはとても狭いため、ストレッチか歩き回るぐらいしかできません。

そして、ベンチから自分を示すサインが出たらマウンドへ向かい、そうでなければウォームアップを終了しまたベンチで休みます。

もちろん、準備をしているうちに逆転したりされたりして試合展開が変われば、ピッチングをするピッチャーも次々変わっていきます。

しかし、もちろんピンチになってからピッチャーの交代を考える訳で、与えられた時間はせいぜい5分といったところです。

その中で、与えられた少ないチャンスをものにし、徐々に徐々に大事な試合で必勝リレーに使われる上位のリリーバーになって行かなければなりません。

こうなると、本当にタフな体でないとやっていけません。アメリカ人は、日本人にくらべストレッチをほとんどしないので、すぐに全力でボールを投げ始めます。

ぼくは、長く入念なストレッチがルーティーンとなっているので、この点はとても苦労します。また、準備しては休み準備しては休みのサイクルで、集中力を維持するのはなかなか大変なものです。

クローザーは、勝っている試合の9回で登板するわけですから、ぼくはリリーバーが一番大変な仕事だと身をもって感じています。

昔は、せっかくのリードをリリーバーがぶち壊すと「なにやってんだよ!」と思っていましたが、今は本当に同情してしまいます。

だって、自分で試合の流れも作れず、いつになるかもわからない出番を何時間も待ち、出て行ったらピンチの場面で、自分が出したわけでもないランナーを背負うんですから。

そこで、打たれたら、試合を台無しにしたと責められ、押さえたらヒーローになるのは先発ピッチャーか最後にセーブポイントをあげたクローザーです。

先発ではとても良いのにリリーフすると簡単に打たれるピッチャーや、逆にいつも打たれるのに先発すると見違えるようなすばらしいピッチングをするリリーバーを何人も見てきました。

メジャーリーグ中継を見ていても、悪い流れで登板したリリーフが溜まったランナーを返されるシーンを本当に良く見かけます。なぜなんでしょうか?

ブルペンにいるときは、常にその答えを見つけようといろいろ観察しているのですが、これだという答えは未だに見つかりません。この答えがわかったときには、ぼくは確実にメジャーにいます。

という具合に愚痴を聞いてもらったわけなんですが、なぜこんなことを言うかというと、今日家に帰ってからピッチングコーチのマイクに注意されたんです。

それは、今日ぼくがブルペンピッチングをしなかったからなんですが、なぜしなかったのか理由を説明してみろと言われてしまいました。

ぼくは、今週2回ブルペンピッチングをして1回遠投をしているし、昨日は休んで今日は試合で投げると思ったからと答えました。

そうしたら、休みの前には必ずブルペンで投げなさいと言われ、ぼくはルーキーピッチャーなので自分がどんな場面で登板するかよく考えなさいと言われました。

今日の試合展開は、接戦でした。そして、明日は休みです。そんな状況をぼくが把握していなかったから、マイクはぼくに注意したんです。

自分でもいろいろ考えてやっているつもりなんですが、まだまだ一人前のリリーバーには程遠いようです。

そこで、少しリリーバーについて考えてみようと思い、今日はこのテーマで書いてみることにしました。“メジャーに行くならリリーバーで”、これがこの世界で生き残るぼくの術です。

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