Catch the Wave
今日は、まさかの大雪のなか、アメリカ独立リーグ短期スポーツ留学の説明会に出席してきました。
これは、日本の(株)クリエイティブスポーツさんと米国Beyond Pacific社の提携で行われるアスレティックトレーナー&スポーツマネージメント・インターン(現場実習)希望者のための説明会です。
説明会のなかでは、MLBシカゴ・カブスやワシントン・ナショナルズでインターンの経験があるクリエイティブスポーツ代表の丸茂さんやBeyond Pacific日本支社の武井さんが実際の現場やアメリカ生活の様子をお話ししてくれました。
ちなみに、こういったトレーナーの分野でアメリカへ渡り、メジャーリーグのなかで活躍してみたいという方のために、今日は丸茂さんが経験したキャンプ中のインターン生の一日を紹介したいと思います。
まず、起床は4:00AM。近くの格安モーテルに宿泊しながら5:00AMにはクラブハウスに入ります。まだ真っ暗です。
その後、全体練習が始まる9:00AMごろまでの間に、その日のスケジュールを確認してミーティングを行い、各々到着する選手の体調を気遣いながらコンディションを整えて行きます。
全体練習が始まると、選手とともにグラウンドへ入ってストレッチやウォーミングアップを手伝うグループとオフィスへ入って選手の体重などをPC管理するグループに分かれます。
そして、3:00PMごろ全体練習が終わると、各々筋力トレーニングを行う選手やマッサージを受ける選手など個別練習が始まり、トレーナーもそれに合わせて個人的に選手を見ます。
そんな中で、丸茂さんが任された大きな仕事は、選手がシャワー終わりに飲むプロテインをたくさん取られないよう冷蔵庫の前で見張る役だったそうです。
見張りがないと選手が2本も3本も持って行きすぐになくなってしまうからだそうで、さすがのメジャーリーグでもそんな小さなことをしているんだなぁと少し安心しました。
もちろん、ぼくたちマイナーリーグではそんな冷蔵庫はひとつもありません。選手たちは、格安のプロテインを求めてナイトゲームあけに深夜営業している大型スーパーに駆け込んで安いプロテインを買いあさっています。
そして、最後に一日の反省会や掃除をして、8:00PM過ぎにインターン生の一日が終わるそうです。
と、まあこんな具合に、今日はトレーナーさんの貴重なお話をトレーナー希望の若い学生さんたちと聞いてきたわけなんですが、もちろんぼくは野球選手をあきらめてトレーナーに転向しようと思っているわけではありません。
今日の目的は、アメリカ独立リーグや日本のプロ野球で長年活躍してきた“矢野英司投手”と“長坂秀樹投手”がスペシャルゲストとして呼ばれていたからなんです。
矢野さんは、横浜高校のエースとして3度甲子園に出場し、法政大学では日本代表に選出、98年にドラフト2位でベイスターズへ入団しました。先発・中継ぎとして1軍で活躍し、大阪近鉄、楽天を経てNPBを引退。今シーズンは、米独立リーグのひとつノーザンリーグやキャナムリーグで活躍し、来年もアメリカでプレーするスーパーエリートです。
一方、長坂さんは、身長166cmながら最速94mph(約151km)を誇る米独立リーグでもっとも有名な日本人です。ぼくのチームメイトにも長坂さんのことを知っている選手が数多くいました。過去5年間の登板回数・勝利数はともに日本人最多で、今年も所属したナシュア・プライドでリーグチャンピオンとチームMVPに輝くスーパースターです。
この二人のお話が聞けるということで、インターン説明会にも関わらず案の定場違いなひとり浮いた感じで参加してきたというわけです。
お話のなかでは、アメリカ生活をする上でのポイントや野球選手として厳しいシーズンを乗り越えるためのポイントなど貴重なお話を聞かせてもらいましたが、2年前の今関さんの集いから恒例となっているぼくの質問コーナーもしっかりと聞いてきました。
ぼくがメジャーリーグを目指す大先輩にいつも聞いていることは、「なぜメジャーリーグに行けないのか?行けなかったのか?」ということです。
これは、かなりきわどい質問というかだいぶ失礼に当たるかもしれないのですが、メジャーリーグを目指すぼくとしては大先輩方が歩んできた道のりのなかで越えられなかった壁を次の世代のぼくが越えるためにはどうしたらいいかという課題を克服する上でどうしても聞いておきたいことなんです。
彼らの答えは、“運”と“チャンス”でした。やはり、彼らぐらいの実力と成績があればそんなに上のレベルでプレーする選手との差は感じないそうです。
ただ、そのぐらいの実力を持った選手は腐るほどいるわけで、その中でも頂点に君臨する選手たちは運やチャンスを上手く掴んで上まで這い上がって行くのだろうと言っていました。
これまで、何度も運に見放されチャンスを掴み損ねてきたぼくにとっては、何とも痛いご指摘にあらためてそれらの必要性を痛感しました。
ぼくは、今までどちらかというと甲子園は“運”で決まり、プロ野球は“実力”で決まると勝手に思っていました。
自分が良いピッチングをしてもチーム全体のパフォーマンスがともなわなければ甲子園に出場することはできないが、プロ野球選手になるには自分が良いピッチングをすればどんなに遠くのスカウトだって見に来てくれるだろうぐらいに思っていました。
でも、ぼくからしたらすばらしい経歴や実績を持つお二人がともにそう感じているということは、やはり少なからず運やチャンスを見方につけておいた方が圧倒的にメジャーへ上がるスピードや可能性は高まるのだろうと思います。
でも、どうすればそれらが見方についてくれるのか今のぼくにはわかりません。ひたすら練習すれば良いというわけでもなく、見方につける練習なんてそもそもあるのかどうか‥?
今日のお話をきっかけとして、これからは“運”と“チャンス”についてもう少し真剣に考えてみようと思います。さらなるレベルアップの新たなキーポイントになることを期待して、これからもぼくはどんな場違いな場所でもどんどん足を運ぶつもりです!
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コメント
僕の町には本格的なスポーツショップというのが無いので、プロテインにはあまり縁が無いのですが・・・やはり、飲む(食べる)と違いますか?
運とチャンスですか・・・。
なかなかに難しい要素だとは思いますが、それらをものに出来てなおかつ、実力のある選手が上から声がかかるわけですから、僕もいろいろ試行錯誤してみようと思います。
それと、なかなか写真を送れず申し訳ありません。
必ず送りますので、気長に待っていただけると助かります。
投稿: 勇太 | 2008年2月 9日 (土) 13時30分
いろいろ試行錯誤するのは良いことですね!この調子で頑張ってください。
プロテインは本格的なスポーツショップでなくてもインターネットなどで簡単に安く購入することができます。
一概にプロテインと言っても効果や目的に応じてさまざまなタイプのものが売られています。飲んだから良いというものではありませんし、使用を誤ると逆効果にもなります。
プロテインを取る場合はしっかりと目的や効果を理解し、正しい知識のもとで摂取することが重要ではないかと思います。
ぼくからの提案は、プロテインを購入する前にまず本や情報サイトを利用してプロテインについての勉強をすることです!ぼくもそうしました。
プロテインの種類、量、摂取時間、筋肉とは何か?、筋肉発達の仕組み、アミノ酸とは?などなど学んでおくべきことは山ほどあります。
勇太くんがこのような知識をしっかりと理解し、目的や効果を適切に認識していれば、きっとプロテインが君のピッチングを助けてくれるでしょう!
また何か分からないことがあればいつでも聞いてください。引き続きがんばれ!!
投稿: Yoh | 2008年2月 9日 (土) 21時00分