Openning Day of Tryout Season
MLBではワールドシリーズ、NPBではクライマックスシリーズを迎え、野球シーズンはいよいよ佳境に入った。
ぼくが暮らすこんな小さな町の少年野球チームでも、今シーズン最後の大会が開催された。
世界各国、プロアマ問わず、今シーズンを戦ったすべての野球選手に、心からお疲れさまと言いたい。
しかし、それと同時に、ぼくのような選手にとっては、これがトライアウトシーズンの幕開けでもある。
来年の春には、そんな彼らと同じ舞台に上がらなければならない。
寒くなったと悠長なことは言ってられないし、寂しくなるなと感慨に耽っている暇もない。
これから急ピッチでトレーニングを重ね、ロスを取り返さなければ到底及ばぬ距離にぼくはいる。
最近では、身近な仲間を含め、自主退団や戦力外通告など選手の入れ替わりも一段と激しくなってきた。
本来であれば、この苦しみを共有できる人間であるべきなんだろうけど、今のぼくには、ただただ朗報にしか聞こえない。
一人選手が抜ければ、そこにはまた新たな席が生まれる。例え、そのチームにチャンスがなくても、多くの選手の入替わりが、また別の場所でチャンスを生む。
そういう姑息な手段を使ってでも、人が抜けた小さな穴に強引に入って行かないと、ぼくのような人間が生きて行ける世界ではないことを今までたくさん学んできた。
ぼくは、黙ってスカウトが見にくるような、待っていれば契約書が届くような、そんな選手ではない。
だから、今シーズン活躍した選手が休みに入っている間に、ばくは彼らの席を奪わなければ、また来シーズンも野球ができなくなる。
また、来シーズンから、今までお世話になった代理人が現役復帰することになり、自ら代理人を務めることになった。
今までは、海外を目指したすべての選手がそうやって道を切り開いてきたわけだから、その点ぼくは恵まれていた。
一生野球選手でいられればそれで何の苦労もないが、そうでなければ、そういう経験から得た苦労や知識、人脈は、今後の自分を助けてくれる財産になる。
だから、ぼくは、納得の上で代理人契約を結ばなかった。
やはり、自分の道は自分で切り開く。誰が何と言おうと、やるのは自分。成功しても失敗しても、誰のせいでもない。責任は、自分でとる。
早く肩を治して、来シーズンは、野球がした。
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