最近、このブログに対するさまざまな意見をいただく中で、もう一度このブログを立ち上げた“意味”について考えてみた。
このブログを最初に書いたのは、2006年の4月28日。カナダへ渡る1ヶ月半前のことだった。
それまで、いい加減な学生生活を送っていた自分が突然渡米をした2005年の経験を、大学やバイトの仲間たちが誰一人信じてくれなかったから、次のチャンスこそと視覚的に証明するものが欲しかった。
ただそれだけの理由でこのブログを立ち上げた。今考えても、本当にくだらない動機だった。
それが、一つ二つと記事を増やして行くうちに、「この間の記事見たよ!」「次の記事はいつ?」と声を掛けてもらえるようになり、その何気ない一言がぼくにとっては最高に嬉しい褒め言葉であり、同時に緊張感をもらった。
メジャーリーグの球団と契約したわけでもない、大したメッセージを送れているわけでもないのに、ぼくの記事を見てくれる人がいる、楽しみにしてくれる人がいると思うと、それだけでこのブログを続ける勇気が湧いた。
そうやって、2年半続けてこれた。
しかし、この民主主義の世の中で、誰もがこのブログに賛同してくれるわけではない。
記事の内容に苦痛を感じる者、写真や色使いといったデザインに不快感を感じる者など、賛否両論あることももちろん理解している。
どちらの意見に耳を傾けるべきか?当然、両方の意見に耳を傾けるべきである。
しかし、今のぼくにはできない。
ブログというのは、ホームページを作成するためのHTMLという複雑な知識を必要とせず、管理者からソフトウェアを入手すれば、誰でも簡単に立ち上げることができる。
しかし、逆に言えば、その決められたフォーマットの中でしか表現することができない。
本来であれば、誰もが見やすいデザインや字体、色をアレンジし、さらには動画や写真をたくさんアップして大人も子どももみんなが楽しめるサイトにするべきだろう。
また、記事に関しても、大げさな情報や不確定な報告は避け、当たり障りのない意見を述べれば、恐らく今程の非難は浴びないだろう。
しかし、それには多くの時間とお金がかかり、専門的な知識と経験が求められる。
そして、そもそもぼくは、それを望んでいない。
だったらどうするべきか?自分の信念を信じてやるしかない。
当初の動機とは変わって、今は、野球に限らず、誰かの、何かのきっかけにこのブログがなればという願いを込めて、毎回記事を書いている。
だから、ぼくの考えに賛同できない人がいるのはしょうがない。
でも、もしひとりでもぼくの考えに賛同してくれる人がいれば、ぼくは、その人のためにブログを書き続けようと思っている。
もちろん、デザインに関しても同じだ。
ぼくは、このブログを立ち上げるときに、BASEBALLを象徴する青い空、緑の芝、そして白球の白を必ず入れたいと考えた。
だから、今まで何度か背景の写真を変更したが、この色だけは絶対に残している。
また、白の文章に背番号[42]を重ねるのも、見にくいとはわかっていても譲れない信念がある。
去年、チームを解雇されてから一番苦しかった2ヶ月の練習生で、何度も弱音を吐きそうになったとき、ぼくの背中を押してくれたのがあの背番号[42]だった。
誰もが無謀だと思えるAndersonへの移籍も、背番号[42]が後押ししてくれた。
だから、ぼくはチームが遠征中の誰もいないグラウンドでも、ひとりドレスアップして必ずユニフォームを着込んだ。
それが、ぼくの持てる唯一の“自信”だったからだ。
あの番号は、BASEBALLの世界でもっとも偉大な番号だ。
黒人初の大リーガー、延いては、私たちカラード(有色人種)が大リーグを目指す権利を与えてくれた偉大な人物が背負った番号。
BASEBALLを愛する者に、“ジャッキー・ロビンソン”を知らぬ者はいない。
ブログを書くというのは、とても勇気がいる。いつ、だれが、どこで見ているかわからない。
だから、決していつもパーフェクトではないぼくの文章に自信を与えてもらうために、必ず背番号[42]を通したいという自分勝手な意図がある。
そして、また、その誇り高き番号をみなさんの一番目の入るところに置きたいという意図もあり、読みづらいデザインになってしまった。
でも、これがぼくの歴史だ。
調子が良いときも悪いときも、正しい考えのときも間違った考えのときも、ずっとこのブログとともに歩んできた。そして、たくさんの出会いもくれた。
ぼくの第二の野球人生のすべてが、このブログには詰まっている。
もちろん、せっかくのブログなんだから、多くの人に見てもらえるよう人気のプロバイダに登録して、格好いい写真を貼り付けて、アクセス数を競い合うのも確かに必要である。
だけど、ぼくはその歴史を簡単に乗り換えることはできない。ある日、突然、お気に入りにしていたブログが閉鎖されているなんて、あんな寂しいことはない。
このブログをずっと見守ってくれた人を何よりも大切にしたいから、ぼくはこのブログを続けて行くし、このブログでよりよいものを作り上げれるよう努力したいと思う。
いつも、このブログに対し、意見を述べてくれる方々には本当に感謝している。
また、いろいろな面で不快感を持ちながら、尚目を通してくださる方々にも本当に感謝している。
本当の意味でみなさんを満足させられるようこれからも努力して行きますので、今後ともこのブログをよろしくお願いいたします。
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