I`m gonna kick your ass!!
契約するチームも、マネージメントしてくれる企業も、契約交渉してくれる代理人も、なにもない。
正真正銘、たった一人で船を漕ぐ、たった一人の冒険。
ぼくの冒険は、本当に生きるか死ぬか、今にも沈没しそうな状態を続けている。
ユニフォームを着続けている以上、ぼくには“夢”を語る権利がある。
一方で、一般社会の波からは大きく外れた。将来、ホームレスになる可能性も大いにある。
前の代理人は、きっとこの状況になることを知っていた。
いつかは、たった一人で船を漕がなくてはいけないときが来ることを‥。
だから、生まれたときからずっと一緒にいたのかと思うぐらい、短い間で多くの生きる術を与えてくれた。
人はみな、人生を重ねて行く中で、職を持ち、家を持ち、家庭を持ち、そして、財を持ち、地位を持ち、名声を持つ。
そのひとつひとつの大きさは違うにせよ、守るべきものを持つ。
常に“挑戦”を続ける者に、失うものはない。失うものがないから、勝算のないところにも一歩を踏み出せる。
将来、家もなく、どこか知らない土地でたった一人で死ぬことになっても、ぼくはこのまま野球を続ける。
先日、あるTV番組を見て、そのことを確信した。
守るべきものを持つ人間の目は、とてもやさしく見えた。一方で、挑戦を続ける者の目は、“CRAZY”だった。
そこに、年齢は関係ない。ともに、ぼくと同世代の人間だった。
その番組を見て、自分がどちらの方向に進むべきか、すぐに結論が出た。
今、ぼくが乗っている船に乗って、一緒に沈没覚悟で漕げる人間は自分しかいない。
だから、自分でやるしかない。
幸運にも、ぼくのまわりには、こんなぼくに助言をくれる人間がたくさんいる。
そのことは、毎日感謝しているし、一生感謝していく。
正直、今回「Arizona Winter League」への途中参加を拒否されたことで、少し迷いが出た。
自分の気持ちをどう伝えればいいのか?どのぐらい伝えればこの状況をわかってもらえるのか??
生まれも、育ちも、環境も違う人間に、以心伝心はない。しっかりと、はっきりと自分の言葉で伝えなければ、大きな誤解を招く。
でも、とっさに閃いた。求められているのは、論理的な理屈じゃない、野球がやりたいんだという気持ちだと‥。
だから、正直に言った。「自分ができることはすべてやったけど、初日には絶対に行けない。」
「でも、今回のアリゾナは、ぼくにとって大きなチャンスなんだ。だから、野球をやらせてほしい。」と‥。
そしたら、あっけなくOKが出た。これで、「Arizona Winter League」への参加が確定した。
今回の件は、意外に大したことなかったのかもしれない。
でも、これが、たった一人の冒険。
なにをやっても、一筋縄ではいかない。ぼくらしい生き方といえば、生き方。
今回も、前の代理人の教えに助けられた。
文武両道の道を守れて、本当によかった。
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