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2009年11月27日 (金)

My Athlete’s House

Cimg5392_400 問題が起こる、悩む、助言を請う、解決する。

この繰り返しで、ぼくのリハビリは歩みを進めている。ゆっくりではあるが、着実に一歩一歩あゆみを進めている。

今回の問題は、先日のリハーサルで発見したテイクバックでの「しなり」。

上腕骨、とくに骨頭の動きが原因ではないかと強く感じていた。

上腕骨の不具合は、比較的初期の段階から気になっていたが、どんなメニューに取り組んでも結局最後まで消えなかった。

いろいろと考え新しいメニューを自分なりに追加してみたが、やはり根本的な解決には至らず、三沢さんの往診をお願いした。

深夜1時、ぼくのバイトが終わるのを待って、いつもの診察が始まった。

食事の時間もないほど患者さんを見てまわり、その後、弁当を食べながらぼくの相談にのる。

ぼくにとって、最高に貴重な時間であり有意義な時間。

住み慣れた我が家が、一瞬にして世界を目指すアスリートたちの練習場へと変わる。

「いつもの診察」と書かせてもらったが、これが当たり前だと思ったら、ぼくの野球人生は確実に終わると自覚している。

“感謝”の気持ちを忘れたら、この世界では生きて行けない。

自分ひとりで何でもやって行ける能力に恵まれなかったからこそ、人一倍この気持ちを持てる人間になれた。

そんな気持ちを格好良く語りたくなるぐらい、たった数日でぼくの肩は変わった。

生まれ変わったように調子がよくなり、ここ何ヵ月も忘れていた懐かしい感覚がよみがえってきた。

「次は、どんな問題が出てくるんだろう‥」と不安な気持ちもあるが、「次こそ行ける、次こそ投げれる」という期待もたくさんある。

「早く投げたい、何でもいいからボールを思いっきり投げたい」、はやる気持ちも強い。

ただ、あれこれ考えてもしょうがないことは、もう今までの経験で十分学んだ。

今、ぼくに必要なのは、『きのうは“昔”、あすは“謎”、大事なのは“今”』というぐらいの大胆さ。

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2009年11月21日 (土)

No Foundation

Img_0575_400 リハビリ生活は、もうまもなく8ヵ月目を迎える。

ボールが投げれなくなってはじめて学んだことはもう山ほどあるけど、最近またひとつ新たなことに気づいた。

それは、「幹」と「枝葉」の関係について。

これは、ぼくが以前からよく言われていたことで、五体満足であるときはなかなか気づけなかったこと。

要するに、心も体も“格好つけ”だったということである。

今のリハビリ生活を客観的に見てみると、“地味”すぎてたまらない。

腕を上げたり下げたり、万歳したり大の字になって寝転がったり、おそらく赤ちゃんでもできる簡単なことを一日何時間も掛けて練習している。

そして、そんな簡単なことが、なかなか思うようにできない。

だからこそ、今までやってきたことのすべてが“チャラ”かったと思える。

もちろん、決してそのすべてが間違っていたとは思わない。

しかし、今となっては、他にやるべきことが山ほどあったと気づく。

樹齢1000年以上の屋久杉は、普通の杉の木の幹ほどもある大きな枝をつけるという。

つまり、太く丈夫な幹があってこその太く長い枝葉であり、細く未熟な幹に太く長い枝葉をつけたとしても、その重さに耐えきれず落ちてしまう。

最悪の場合、幹もろとも崩れ落ちる可能性だってある。

そう思えたときに、今の自分には太く長い枝葉をつけるだけの幹があるか、イコール基礎や土台がしっかりと100%備わっているかと自問自答してみた。

答えは、もちろん“NO”。

今の練習は、今のぼくにとってもっとも必要なことであり、この練習なくして復活はないと理解した。

そして、今後何をすべきなのかがはっきりと見えてきた。

そういえば、三沢さんの与えるメニューは、いつもシンプルで飾らない。

子どもでも大人でも誰にだってできることで、なのに人間の盲点を突いたかのように辛く厳しい。

樗木さんのトレーニングは、まず何よりも先に姿勢から入り、歩くこと走ることの習得を優先する。

さまざまなトレーニング機器を前にして、やることは単純で明快。一瞬、人間の進化論を説かれているような錯覚に陥る。

どちらにしても、共通することは「基礎あっての応用」、「幹あっての枝葉」である。

五体満足であったときのぼくは、自分の行動に責任と自信を持っていた。

だから、やることすべてに「それは枝葉だ!」とケチをつけられると、「そんな難しいことはやってない!」と叫んでいた。

しかし、それは間違っていた。

今だったら、こう考える。

まずは、正しい姿勢をとって歩きはじめよう。

正しく歩けたら走ってみる。

正しく走れたら短距離を走り、長距離を走る。

どちらの距離でも正しく走れたら・・・。

すべての運動は、歩く・走るから。

このひとつひとつを100%クリアすれば、間違いなく立派な幹ができる。

そうしたら、シャトルランにしてもベースランにしても、投げるのも打つのも、それはそれは長く丈夫な枝とともにその先には美しい花を咲かせるだろうとぼくは信じている。

「正しい成長を遂げれば、背は空にも届く」

『行こうぜ!地味に、泥臭く。最後に笑うのは、オレだ!』

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2009年11月14日 (土)

Rehearsals

Img_0690_400 ここに来て、外旋90°の姿勢がようやく完全にとれるようになった。

シャドウピッチングをしても、ほとんど違和感はない。

完全復活をいよいよ射程圏内に捉え、今日はひさびさ少年野球でリハーサル投球を行ってみたが、やはりそう簡単には行かせてもらえなかった。

テイクバックの「しなり」がボールの重さに耐えきれず、やはりロボットのようなカチカチの動きになってしまう。

子どもに感想を聞いても、「何だかヘンな感じ。」と言われてしまった。

肩の動きはだいぶ前から準備万端の状態だが、この「しなり」の不十分さはどうしても気になる。

これが取れないことが、リハビリ継続の最大の理由でもある。

負荷や回数を手直ししたことで、コンディションはとても良好だと自分自身は感じている。

適度に休みを入れながら、嫌な痛みもほとんどないと言ってもいい。

あとは、「しなり」の問題だけだ。

これだけは、どうしても納得が行かない。

時間が解決してくれるのか、アプローチの問題なのか、もう少しじっくり考えてみたい。

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2009年11月 8日 (日)

For The Time Being

Img_1491_320 昨日をもって、いったん臨時ピッチングコーチの職を離れることになりました。

今後は、またリハビリに専念し、復帰に向けて最後の追込みを掛けて行くことになります。

お世話になったこの4ヵ月は、ぼくにとって本当に刺激的な毎日で、たくさんのことを勉強させられる日々でもありました。

ぼくが、彼らの成長を3年間付きっきりで見届けられないことは、最初からわかっていました。

「限られた時間の中で、ぼくにできることはなにか?」

そのことを常に頭におき、与えられた時間と与えられた機会を大切にし、最善の努力を尽くしてきました。

ときには厳しくあたり、ときには体に異変が起きる程の練習を課し、常に笑顔で楽しくというわけには行かないときもありました。

子どもたちも、「ピッチャー陣だけどうして?」、「ピッチャーをやるにはこんなに大変な思いをしなければならないの?」、そう思ったこともあったでしょう。

しかし、それもすべて、ぼくがチームを去ったあとに彼らが自ら創造し、行動に移し、実現できるようにするためのものでした。

ぼくがいるからできる、いないからできない、だれかが見てるからやる、見てないからやらないでは、ぼくがチームに携わった意味はありません。

そして、それは、ぼくの求める“魂”ではありません。

そういう意味では、最近の彼らは、彼ら自身で仲間を正し、野手の見本となり、「ピッチャー陣のくせに~」という言葉が彼ら自身から発せられるようになりました。

そんな彼らの成長をぼくは誇りに思うし、そんな彼らと一緒に野球をやるチャンスをくれたすべての人に感謝しています。

唯一心残りは、100人近くいるメンバーの中で、最後のミーティングに参加したのがたったの10人であったということです。

その他は、顔も名前もわからない、足が速いのか遅いのか、どこが長所で短所なのか、まったくわからない選手ばかりだということです。

しかし、ぼくに与えられた時間と機会は、本当に限られていました。

だから、彼ら10人には、ぼくの“魂”を誰よりも多く分け与えたつもりです。

彼らのことは、プレースタイルから性格、長所に短所、学校の成績から家庭環境まで、すべてを把握しています。裸の付き合いもしました。

彼らが、きっといい流れをチームにもたらしてくれるとぼくは信じています。

そして、記録でも記憶でもなく、ぼくがこのチームにいたことの証を彼ら自身が証明してくれれば、ぼくがこのチームに携わった甲斐があったと言えます。

やはり、ケガの治療には、「太陽の光」よりも「希望の光」です。

チームに行くことでリハビリの時間は減ったけど、逆に回復のペースは明らかに速まっています。

彼らの元気なパワーをもらい、ぼく自身も有意義な時間を過ごさせてもらいました。

今後も、肩の回復具合や渡米の時期を考慮しながら、またいつ声を掛けられてもいいように、コーチの準備もしっかりとして行こうと思っています。

また会える日まで。。

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